歩留まりとは?

半導体は、何ヶ月もの工程を経てようやく完成します。
しかし、作ったすべてが合格品として製品になるわけではありません。
その良品率を「歩留まり」と呼びます。今回は、この歩留まりについてもう少し詳しく見ていきましょう。

歩留まりとは?

半導体製造における「歩留まり(Yield)」とは、製造したチップのうち、正常に動作する「良品の割合」を指します。

半導体はシリコンウェハーと呼ばれる円盤状の基板の上に、微細な回路を何百、何千と作り込みます。1枚のウェハーから大量のチップが生まれますが、すべてが完璧に動作するわけではありません。

製造過程で微細な欠陥が入り込むと、そのチップは不良品となり、出荷できないからです。

例えば、あるウェハーから1000個のチップを作ったとします。そのうち950個が正常に動作すれば歩留まりは95%。500個しか使えなければ歩留まりは50%です。

SEMIくん
出荷できるのは厳しい検査を合格した製品だけ。その割合(=歩留まり)を出来るだけ高くしたいんだ。

なぜ歩留まりが重要なのか?

歩留まりは、半導体業界にとって欠かせない指標です。その理由をいくつか見てみましょう。

利益率に直結する

半導体製造は莫大な設備投資と材料費を必要とします。歩留まりが高ければ同じコストでより多くの良品を得られるため、利益率が向上します。逆に歩留まりが低いと、原価が上昇し、価格競争で不利になります。

SEMIくん
歩留まり50%だったら、単純に考えると不良品の分のコストを、良品に乗せないといけないから、コストが2倍になってしまうよ。

供給安定性に影響する

歩留まりが低いと出荷できる製品が減り、顧客への納期遅延や供給不足につながります。市場で「このメーカーは安定供給できる」と評価されるかどうかは、歩留まりに大きく依存しています。

SEMIくん
1000個の発注を受けたのに、完成した合格品が900個だと、また追加で作らないといけないもんね。

技術力の象徴

歩留まりは単なる製造効率ではなく、企業の技術力を示す指標でもあります。微細化が進むほど歩留まりの維持は難しくなり、歩留まりを高く保てる企業こそが「技術的リーダー」として認められます。

SEMIくん
歩留まりを高く製造できる企業は市場の評価が高いんだ。
RIN
既存の製造で高い評価を得られると、また新しい製品の仕事も依頼が来やすいね。

歩留まりを左右する要因

では、歩留まりは何によって決まるのでしょうか。実は非常に多くの要因が絡み合っています。

製造プロセスの精度

半導体はナノメートル単位の微細な構造を持ちます。わずかなズレや異物混入でも不良につながります。最先端のデバイスは、より微細化が進んでいるので、高い歩留まりの維持はより難しくなります。

設計の複雑さ

高性能チップほど回路が複雑で、欠陥が入り込みやすくなります。設計段階から歩留まりを意識することが重要です。

材料の品質

シリコンウェハーの純度や、使用する化学薬品の品質が歩留まりに直結します。材料に微細な欠陥があると、それがチップ全体に影響を及ぼします。

製造環境

半導体は多くの場合、クリーンルームという特別な環境で製造されます。しかし、どんなに厳しく管理しても、微細な埃や静電気が入り込むことで不良の原因となることがあります。

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設備の安定性

製造装置の温度変動や振動、光学系のわずかな誤差が不良の原因になります。設備の安定稼働は歩留まりを守るためにとても重要です。

SEMIくん
これら全てが揃わないと高い歩留まりは実現しないんだね。
RIN
歩留まりは、技術・材料・設備・人材など、その企業の総合力を表す大事な指標なんだね。
以上、今回は製品の良品率を表す「歩留まり」をご紹介しました。企業の利益、供給安定性、技術力に直結する重要な指標ですね。